twilight house 3【完】

3章 /ムスカリ






―――それから俺と先生の、奇妙な関係が始まった。




ほぼ毎日、放課後。

ホームルームが終わったら、あの死角の花壇の前で先生と会う。





それが"当たり前"になっていったのは、あの雨の日から2週間ほど経った頃だった。









「ジニアは花持ちが良くてね、100日間も咲き続けるんだ」


「そ、そんなに」


「だから日本では仏花として重宝されてるんだけど、原産地のメキシコでは"目障りなやつ"って言われてるらしい。可哀想だよねー」







先生は俺の知らないことを、たくさん知っていた。




俺は先生の知識に、いつも驚かされて。


それと同時に、この人凄いなって、尊敬した。だって俺なんか足元にも及ばないくらい、植物の知識に溢れてたから。







「先生は何で、そんなに花に詳しいんですか?」







花壇の前で、いつも通りしゃがみこみながら尋ねる。



すると先生はヨレヨレのポケットから飴玉を取り出して、ぽい、と自分の口に放り込んだ。






「何でって、僕理科の先生だからね」






ほい、と。

もう1つ持っていた飴玉をくれる。




・・・・・・あ。今日はレモン味だ。







「り、理科の先生の知識量じゃ、ないと思うんですけど」







先生が話すのは、植物の"豆知識"だ。




花好きとはいえ、なかなかマニアックなことまで知ってる。


この前はあの有名な、コロンブスが向日葵を見つけたという新事実を教えてくれた。









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