twilight house 3【完】

3章 /マリーゴールド









―――だけどその、翌日。






「・・・・・・・・・・・・」






ぴちゃ、ぴちゃ、びちゃ。





床が濡れる。


ていうか、身体も濡れてる。






「ぎゃはははは!すげえ!上手くいった!」


「土臭いのとれたんじゃね?俺らマジ良い奴ー!」







ドアの向こうから、明るい声が聞こえてくる。


クラスメイトの声だ。よく俺にぶつかってくる、金井くん。








「(・・・・・・困ったな)」







ジャージ、持ってたっけ。



俺は前髪からぽたぽたと落ちる雫を見つめながら、どこか他人事のようにそう考えた。




















「―――君もなかなかベタないじめにかかるねえ」






その日の放課後、俺より遅れて花壇にやって来た先生は、俺のジャージ姿を見下ろしながら言ってきた。







「今の時代も、トイレから水をかけるなんていじめが存在するんだねえ」


「・・・・・・な、なんで分かったんですか」


「いやいや見れば分かるよ。放課後に運動部でも何でもない子がジャージって」







た、確かに、そうだけど。



俺はジョウロで水やりをしながら、先生を見上げる。







「・・・・・・あ、あの。先生が簡単に、いじめって言っちゃって大丈夫なんですか?」








先生って、何がなんでもいじめだと決めつけたくない生き物かと思ってた。




現に俺の担任の先生は、俺のジャージ姿を見て「せ、瀬戸くん。また誰かにからかわれてるの?」と聞いてきた。


いじめなんて言葉、あの人は絶対使わない。あと今月で3回目の心配だった。心配しすぎだ。









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