twilight house 3【完】

3章 /さあ、君の手を引いて








―――それから少し経つと、私はあることを思いついた。






ドンチャカドンチャカ。騒がしい声に混じって聞こえてくる、アナウンスの声。






「(そうだ)」







我ながら、名案かもしれない。






「極くん」






私は極くんの背中を摩る手を止めて、彼の名前を呼ぶ。


と、極くんははたり、涙を止めた瞳で私を見上げた。







「1つ提案があるの」








極くんが1歩、前に進むための提案だ。



極くんの潤んだ瞳に、ゆらゆらと私が映り込む。ああ、なんてブッサイクな面だろう。自分で自分が悲しくなる。







「・・・・・・て、提案?」







極くんはその潤んだ瞳をゴシゴシと擦りながら、聞き返してくる。


私はそんな極くんを一瞥して、ゴソゴソと肩にかけていたショルダーバッグからあるものを取り出した。






「これ」






はい、と。極くんの顔面の前に―――前にアズに入れられた、集明祭のチラシを突き出せば、極くんは戸惑いながらもそのチラシに視線を向けた。








「しゅ、・・・集明高校の、チラシ、ですか?」







極くんはチラシと私を交互に見てくる。ちらちら、ちらり。



そんな極くんに、私は大きく頷いた。







「チラシのここを見て」








私はビシィッ!!力強く、チラシの下の方の文字を指さす。


極くんは私が指した文字を、一言一句逃さぬように、じっくりとゆっくりと視線を動かす。



そして、






「えっと・・・・・・カップルコンテスト、って。書いてありますね」


「そう!あのね、極くん!」







私は目をカッ!!開いて、ぐいぐいじりじり、極くんににじり寄った。







「私と一緒にカップルコンテストに出よう!」









―――そう言った瞬間、極くんの表情は一気にサーッと青くなった。








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