twilight house 3【完】

3章 /確かな事実








―――夕暮れに染まった街を、4人で歩く。


私はスキップしたい気持ちを抑えながら、静かな笑い声を上げた。





「んふふふふふふふふ」


「あのさ。さっきから気持ち悪いんだけど」






が、どうやら幸くんにとっては静かではなかったらしく。


眉間に皺を寄せながら、妖怪でも見るかのような目を向けてきた。なんて失礼な子だろう。私これでも歳上だ。






「そんなにそれ、嬉しいわけ?」


「嬉しいに決まってるじゃん!お米3ヶ月分だよ!?しかも高級ブランド『つや姫』!普段はお高くて買えないんだから!」


「・・・・・・米もらってそんなに喜んでる女子高生、アンタぐらいだと思うよ」






呆れたようにはぁ、とため息を零す幸くんを放って、私はもらった『お米(つや姫)交換券』を高く持ち上げる。


夕日に照らされて少しオレンジがかったそのチケットは、今の私を高揚させた。







ああ嬉しい。ありがとう世界。


最近食費カツカツだったんだ。この前調子に乗って、良いお肉買っちゃってさ。

ちゃんと家計簿つけよう。






「そんなに良いお米なの?ラッキーだね〜」






アズが長い脚を使いながら、私の1歩先を歩く。くるり、こっちを向きながら。


普段なら、「ちょっと!後ろ歩きしてないで前向いて歩きなよ、危ないから!」とでも言うところだが。







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