twilight house 3【完】

3章 /双眼鏡の先の彼女は笑ってる








―――午後13時の◯△駅、噴水前。



デートの待ち合わせスポット100選にも選ばれてる(らしい)そこは、人で溢れていた。




そんな噴水近くの茂みに、怪しげに隠れている男が6人。






「・・・・・・オイ。いくら何でも、隠れ方がベタじゃねェかぁ?」


「ベストスポットでしょ〜。やっぱり尾行と言ったら茂みだよね。はい、これじんじん用の枝!」


「いらねェよ」


「ちょっと、もっと奥詰めてよ!俺見えちゃうじゃん」






一丁前に尾行する探偵っぽくサングラスをかけたアズに枝を渡されるが、丁重にお断りしておく。


すると横にいたどチビがぐいぐいと身体を押し寄せてきた。






「オイ押すなよチビ」


「仕方ないでしょ、詰めないと見えちゃうんだから。つーかアンタの肩幅邪魔!」


「俺の肩幅に文句言ったってどうにもならねェよ。つーか待て幸。何でおめーまで来てンだ」






尾行賛成派じゃなかったはずの幸が、いつの間にか俺の隣にいた。いや何でいンだよ。


するとその奥に、見慣れた黒髪もいることに気がついた。






「オイ郁人、何でおめーも来てンだよ」






声をかければ、郁人は後ろに向けていた嫌味なほど整った顔を俺に向けた。



そして呆れたように、






「お前らバカが尾行したら、一瞬で怪しまれて警察に通報されるだろうが。それを阻止するために来たんだよ」


「おめーも充分怪しいだろうが」


「そんなわけねえだろ。現段階でかなり怪しいのに、誰にも声かけられてねえのは俺の爽やかさのおかげだ」






そんなわけあるか、と思い周りを見てみる。



すると。俺たちを怪しんだ通行人がスマホを使って通報しようとしていて、それにいち早く気がついた郁人が超絶怒涛の爽やかスマイルで「あ、俺たち全然普通の一般人なので」と言えば、通行人は顔を赤らめて「あ、そうなんですね。すみません」とスマホをしまっているのが見えた。





・・・・・・なるほどどうやら本当らしい。






0
  • しおりをはさむ
  • 657
  • 303
/ 383ページ
このページを編集する