twilight house 3【完】

3章 /ナイトとゴリラ












「―――おめーが鈍くせエから負けちまったじゃねェかよ!」







ビーチバレースペースを抜けた、波打ち際。




ザザーん、そんな音をかき消す勢いで仁が幸くんに向かって怒鳴った。







「しょ、しょうがないじゃん。俺運動苦手なんだから」








珍しく気まずそうに目を逸らしながら、もはや悪の親玉にしか見えない仁に言い返す幸くん。




う、うんうん。

そうだよね。



人間誰しも、得意不得意なことはあるよね。








「だからって空振りはねェだろ、空振りはよ!普通当たりぐらいはすンだろ」


「っ、だから、出来ないもんは出来ないって言ってんじゃん!大体運動なんて、怪我でもしたら肌に傷つくし嫌いなんだよ!」


「ただ単に運動神経が悪いだけだろうが!」


「ま、まあまあまあまあまあまあ!落ち着いて!」








私を真ん中に挟んで喧嘩しないでくれ。




どうどう、と動物を落ち着かせるかのように間に入れば、仁は「ケッ」そう吐き捨てて、砂を蹴る。



幸くんはぷいっ、とそっぽを向きながら、







「大体、そっちが後ろにボール打ったのが悪いんじゃん。コントロール能力無さすぎでしょ」


「アア!?」


「ま、まあまあまあまあまあまあ!もう良いじゃん、終わったことだし!」








つーかどっちもどっちだよ!!



バチバチと睨み出す2人に、深いため息が出る。この2人、絶対相性悪い。











―――そんなこんなで負けてしまった私たちは、罰ゲームを執行するために海の家へと向かっていた。




美少女(仮)とヤクザ(仮)と平凡女の組み合わせは異様なのか、さっきから行き交う人に二度見三度見、はたまた四度見されてる。









0
  • しおりをはさむ
  • 656
  • 303
/ 383ページ
このページを編集する