華やかに艶やかに 【完】






ドキドキと速まる胸の鼓動。



3週間ぶりにあの人に会える喜びを隠しきれない。



顔のニヤケを抑えるために両手で頬を挟み筋肉をほぐしてみたり、胸の高まりを少しでも落ち着けるために胸に手を当てて深く呼吸をして見たり…だけどそんなんじゃちっとも緊張も会える喜びも静まってはくれなくて、あの人が来たら子供みたいな反応をしてしまいそうで怖い。




「ははっ、子供みたいに喜ぶのだな」なんて言われたら顔が真っ赤になってしまう。



恥をかかぬために静まれ鎮まれと言い聞かせているのに、脳で考えていることとは裏腹に気持ちは全然言うことを聞いてくれない。





「嗚呼、もうすぐであの人が来てしまうというのに」





はぁ…と溜め息を吐いた。





「溜め息を吐くと幸せが逃げるらしいぞ」



「凜太郎さん…!」





背後から声がして、聞きなれた久しぶりのその声に反応すると、待ち焦がれていた愛しい人の姿がそこにあった。





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