捧げ華~濁りの君よ~【完】

拾参章 譲レヌモノ

……夢を見る。



どこまでもどこまでも、延々と追いかけられる終わりなき夢。



周囲は真っ暗で何も見えず、背後からは多数の足音が追いかけてくる。



どんなに走っても振り切れず、恐怖に喉を締めつけられる。



逃げて逃げて、次第に力が入らなくなっていく足を必死に動かし、逃げ続ける。



けれどそれも限界で、足は鉛のように重くなり、足音がどんどん近くなる。



少しでも前に進みたくて掻き分けるように手を動かすが―――追い付かれる。



声ではない雑音のような音が近付く。……捕まる。



(い、や―――!)



誰か、助けて。



誰か……!



手を伸ばし、全力で助けを求めた瞬間―――目が覚めた。











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