捧げ華~濁りの君よ~【完】

拾捌章 届カヌ君ヘ

零がいた部隊は、パルチザンによって全滅させられたのだという。



詳しい事情はよくわからない。



辛うじて聞いた話によれば、とある過激派の集まる村の討伐―――強いて言うなら武装解除をさせるために向かうも、地の理を知り尽くした相手の反撃を受け、全滅。



生存者は、無し。



『全員悉ク戦死』の情報は、覆らなかった。



おまけに後日送られてきた戦死者名簿の中に、『藤ノ宮零』の名前ははっきりと記されていたらしい。



シベリアからの通信暗号が届き、その事実を知るや否や、東雲は着の身着のままで参謀本部を飛び出し、日崎家の門戸を叩いた。



軍部内の情報を外部者に漏らす―――それは軍規に反することではないのか、否か。



普段ならそこまで考えが追い付くかもしれないが、その時の桜子に東雲の心配をする余裕は残っていなかった。









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