透明な罠【完】

紳士的な彼




あれから何度か日を跨いだ。


足取り軽く人の集まる場所を物色するも、やはり予想していた通り貫井さんよりイイ男は見当たらない。


代わりにそこらへんの極めて眼中にない男共が我先にと声をかけてくる。



あーーっ!もううっざいな!!


私があんたらごときに靡くとでも思うわけ!?


一回その顔面鏡で見てきなさいよ……と思うも、表の顔を装備した私は申し訳なさそうに微笑みながら躱すことしかできない。


面倒ったらないわ!




……完全に失敗したわねこれ。


こんなことなら次のターゲット見つけるまで貫井さんと別れるんじゃなかった。


ああ、でも彼と一緒にいるとキョロキョロするだけで『俺以外の男を視界に入れるな』とか言ってきそうだ。


結局面倒には変わりないか。




「……和瑚?」



…………はぁ、少しでも彼のことを考えたのがいけなかったのか。

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  • 1961
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