有川さんはめんどくさがり

面倒事その3




「有川さーん」

「……」

「あっりかーわさーん」

「……」



それからも、この迷惑極まりない男は相も変わらず私に付き纏ってくる。


私は馬鹿ではないのでこいつの言うことにいちいち反応するような、わざわざこの男を喜ばすような真似はしない。


学習能力がない愚図だとでも思ったか?


……と、心の中で嘲笑った刹那。



「あ!り!か!わ!さん!!」

「!!?」



突如今まで後ろからゆるい口調で追ってきていたはずの更科姿樹が、なんと真横で大声を出しやがった!!


これにはついつい頭に血が上ってしまい、



「ふっざけんな!!周りの状況少しは考えろ!!」

「あ、やっと反応してくれた」



あんなに胸に誓ったはずの決意を早々に覆してしまった。


そんな私に更科姿樹は嬉しそうに、しかし全て計算通りとでも言いたげに笑う。




……じゃねえよ!!ただでさえこの時間は人通り多いってのにあんたの馬鹿でかい声のせいで通りすがる人全員振り返ってるじゃん!!




ほんとになんでこうなった……。


私のなんの変哲もない日常を返してくれ……。

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