眠り姫とチャラ王子

プロローグ




突然だが自己紹介をしよう。


俺の名前は久我紫雲しうん。至って普通の高校二年生だ。


……いや、普通ではないかな?





帰りのホームルームが終わったので、スクールバッグを持って立ち上がる――と。



「紫雲〜!」



丁度名前を呼ばれたので笑みを携えて振り返る。


そこには不貞腐れた様子の女の子がこちらを見上げていた。



「ん、どうしたの?」

「どうしたの、じゃないよー!今日一緒に帰るんでしょ!」

「えーっずるーい!」



すると、その近くにいた子が声に反応して羨ましそうに眺めてきた。


そっか、今日は彼女と帰る約束してたんだっけ。


毎日のように誘われるから把握しきれてなかった……。


でもこれで二人で帰ってしまったらもう一人の子が可哀想だよね。


……よし。



「じゃあみんなで帰ろうか?」

「出たよ天然発言!も〜こういうのは二人きりじゃなきゃだめなの〜」



紫雲はわかってないなぁ、と口を窄める女の子。


残念、みんなで帰った方が楽しいと思ったのに、どうやら二人きりじゃないとダメらしい。

0
  • しおりをはさむ
  • 4
  • 2081
/ 6ページ
このページを編集する