タランチュラ 本編

第4章 /7)タランチュラ処刑事件



 次の年もその次の年もその次の年も国王は赤い服を着て、長靴の形の袋に入ったお菓子を子どもたちに配った。俺たちは毎年、少しだけだけど話をした。

 国王と話をした次の年に俺たちは『最強』と呼ばれていた。それを伝えると、国王は驚いていた。

 その次の年にはあいつは言葉を取り戻していた。あいつの声を聞き、国王は嬉しそうにあいつを強く抱きしめた。

 その次の年、国王は元気がなかった。お菓子をくれる時、小声で俺の耳元で囁いた。

「…頼んだぞ」

「?」

 そのとき俺は国王が言っていることの意味が分からなかった。


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