タランチュラ 本編

第5章 /4)まとめて来やがれ

☆ 
 
“ギィィィイイイイ”

古城の錆びついた扉が重たい音を立てて開く。鍵もかかっていなければ、人の姿もない。だが気配を感じる。古城の外からも感じ取れた殺気。ますます強く感じる。

薄暗い城内に目を凝らした。

広いエントランスホールのようなところ。太い支柱が数本あり、破れてほこった薄汚いカーテンが数か所窓に備え付けられている。

中央に崩れかけた螺旋階段、奥に扉がいくつか見える。

「ルゥゥウウ!どこなのー」

メチレンが叫ぶが返事はない。目を閉じ、当たりの気配を探る。

“ピュンっ!!”

銃声なく弾丸が飛んできた。薄暗い視界のなか、メチレンは首を少し避け、弾丸をかわす。

そして背負っていた大剣を右手にゆっくり持つと、音なく駆けた。上体をかがめ、打ってきた狙撃手の懐にすぐさま入る。その間、3発の弾が発せられるが、メチレンは軽やかにそれをかわした。

そして、鞘に収まったままの大剣を横に振り、狙撃手の銃は2つに割れ、後方の壁に勢いよく吹っ飛んだ。壁にぶつかるとそのまま倒れこんだ。

狙撃手に攻撃をしかけたメチレンに両サイド上方から剣が振り下ろされる。メチレンは大剣を扱いながらも、軽々と剣を持ちかえて頭上で3本の剣を受け止めた。

「もう!これ、絶対素人じゃないでしょ!」

メチレンは確実に命を取りに来た攻撃に、賞金稼ぎの類でこの統率された連携攻撃はできないと判断し、相手が訓練を受けた者たち…おそらく軍人であることを感じ取った。

“ぎぎぎ”

鞘付きの大剣を両手で支えるメチレンに対し、力を加えられた3本の剣から濁った金属音がする。

「それ、折れちゃうよ」

“パリーンっ!!”

メチレンの言葉通り、3本の剣は同時に折れ、力のバランスを失った剣の持ち主たちは態勢を崩した。

それに対してメチレンは2人同時に大剣で薙ぎ払い、反対側のもう一人に剣を持たない左ひじでみぞおちを打ち、相手はその場に倒れこんだ。

「あーもーめんどくさいから、いっぺんに出てきなよ!」

メチレンが挑発し、十数人の人影を確認した。

「いーねー!ゾクゾクしちゃう!」

メチレンは上唇を舐め、大剣を構えた。

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