タランチュラ 本編

第6章 /2)翻弄


注射器が抜かれても半ケツの状態でシクシク泣いているメチレン。

「も、もうお嫁に行けない…」

「あんた、男でしょ」

注射器を片付けながらチェシルが言う。とても満足気な表情だ。

「…できた」

マリーテルもルゥの肩をたたき、満足気な表情をしている。

「?」

メチレンが顔をあげ、ルゥの方を見る。

「おおおおおぉぉぉ!!!」

メチレンは勢いよく立ち上がり、目をキラキラさせ、ズボンを上げながらルゥの元へ急ぐ。

「ルゥ、めっちゃかわいい!かわいいよー!」

ルゥの回りを興奮した様子で走り回るメチレン。

マリーテルによって、ルゥの髪は両サイドを編み込み、後ろでシンプルな花柄の髪飾りで束ねられている。白い花が赤髪によく映えていた。

自分では見えないが、あまりにメチレンが誉めるので、ルゥは少し頬を赤く染めた。

「あとは服…」

そう言ってマリーテルは、白いブラウス、赤いスカート、黒のハイソクックス、そして赤い棒帯を差し出した。

「こ、これは…」

メチレンとルゥは不快な表情になる。

「なんでこんなの持ってるんだよ!」

メチレンが怒鳴る。

この服は歯車の制服で、二人にとって嫌な思い出しかなかった。
二人の反応をみて口元が緩むマリーテル。笑っているがとても嫌味な笑いだ。

「風邪をひく…着替えろ」

「い、嫌だ!こんな服、二度と着ない!」

ルゥが拒むと同時にマリーテルが動く。

〝カチャ〝

鋭いハサミをルゥの喉元に当てる。

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