タランチュラ 本編

第6章 /3)忘れてた

「私は医療班。こんなに濡れた服を着せたままにして、風邪をひくことを黙ってみていられない」

「ぅう…クッシュン!」

ルゥのくしゃみにメチレンが慌てる。

「わわわわー!ルゥが風邪ひいちゃう!風邪ひいて死んじゃう!どうしよう!どうしよう!

あ、そうだ!これ着る?お、俺の着る?あー俺のめっちゃ汚い~!」

自分の服を脱ごうとして、血だらけでしかも濡れていることに気づく。

「じゃあ、こんなのもあるわよー」

今度はチェシルが服を差し出す。

「そ、それは…」

ルゥの顔がひきつり、メチレンが目を輝かせる。

「憧れのナース服!なんと今ならプレミアムピンク超ミニバージョン!!」

誇らしげに差し出すチェシル。

「ぜぇったい着ない!!」

ルゥは速攻却下した。

「…仕方ない」

マリーテルがため息をつくと、ルゥとメチレンに手をかざして呪文を唱えた。

温かい光と風がルゥとメチレンを包み、髪や服が風で優しくなびく。

「こ、これは…」

「おおおおおー」

二人は目を丸くする。

「乾いてる…」

「「えーーー!」」

メチレンとチェシルが不満げに口を尖らす。

「はじめからこうしてくれたらよかったのに…?」

ルゥの疑問にマリーテルはまた嫌味な笑顔で答えた。

「あんたの戸惑う顔が見れたし、この二人の悔しがる顔も見えて、私は満足よ。ごちそうさま」

「相変わらずひねくれ者ー!俺のだけでよったのに!」

「性格ブスー!!」

メチレンとチェシルがヤジを飛ばすが、マリーテルは無視し、倒れてるロスメタの元へいく。

「ところで、さっきから倒れてるコレなに?」

「あ、忘れてた」

「なんでロスメタ、倒れてるの?」

メチレンとルゥはすっかりロスメタの存在を忘れていた。彼はメチレンに投げ飛ばされ、倒れていたのだった。

「…脳震盪かしら?

放っておいても時期に目を覚ましそうだけど…」

マリーテルが手をかざすと光に包まれたロスメタは目をゆっくり覚まし、起き上がった。

「こ、ここは…」

しばらく頭を抱え、混乱した様子だったが、急に立ち上がった。

「はっ!!レイン大佐は?!」

「「あ」」

メチレンとルゥは顔を見合わせる。

「すっかり忘れてた!」

「うん。だって気配を感じなかったんだもん」

いつも強烈な圧を発しているレインの気配が一切感じられない。

メチレンはレインはもしかして外でまだ待ってるのか?と気まずい気持ちになった。

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