タランチュラ 本編

最終章 /2)ピコピコハンマー

ユサの言葉にロスメタは驚き、ユサをみる。ユサは自分の頭なでながら、

「レインさんが不思議な女の子たちを呼んでくれて、頭をパコパコ叩いてくれたら記憶が戻ったの。

記憶喪失って簡単に治るのね!」

とやや興奮ぎみに言う。

「パコパコ?!」

意味がわからないロスメタ。

「そう、これで…」

ユサはビニールでできた何とも玩具くさいハンマーを手に持った。嘘くさい。

「記念にもらったの」

「も、もしかしてその少女というのは、白と黒の…」

「そ、そう!チェシルちゃんとマリーちゃん!ロスメタ知ってるの?!さすがね」

ユサはロスメタに敬意の眼差しを向けた。

ロスメタはさっき自分が気絶していた間に起きたメチレンたちと彼女たちのやりとりを聞いていたのでその腕は認める。だか過程のハンマーで叩いたというのはおそらく楽しんでやっただけに違いないと思ったが、ロスメタはユサの感動を邪魔しないことにした。

それより記憶が戻ったこと、レインがユサのもとにいるという現実に目を向けた。

ロスメタは膝をつき、ユサに頭を下げた。

「ロスメタ王女、この度は敵の目を欺くためあなた様の名を私ごときが語り、今までの数々の無礼、誠に申し訳ございません。

処罰は何なりと…」

謝るロスメタにユサは謝らないでと、必死にロスメタを起こそうと引っ張った。

「もーいいってばー!本当になにも覚えてなかったし、これからもユサでいいし!」

「そ、そういうわけには…」

「記憶がもどってお父様のこととか今までのこととかショックなことも思い出しちゃったけど、あなたがお城でいつも一緒にいてくれたこともちゃんと思い出せた!

それにこれからの新しい人生だもの、名前も一新してもいいじゃない?

私がいいって言ってるからいいの!レインさんともそう決めたの!」

「レ、レイン大佐と!?」

そう!レイン大佐!彼女は一体なぜここに?目的は?敵だと思っていたレインがユサと一緒にいて、仲良くやっていることにロスメタは混乱している。

「あー、説明すると長いが…」

レインはめんどくさそうに口を開いた。ロスメタが知っている今までのレインとは明らかに雰囲気が違う。

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