タランチュラ 本編

第1章 /4)初めての街



「わぁ~!思ったよりも広い街なんだねぇ」

 メチレンがキョロキョロ街を見回した。
 街に着いたのはちょうどお昼時で、太陽は天辺を登りきっていた。

「キョロキョロしないの、恥ずかしいだろ?」

 ルゥはメチレンの首根っこを掴む。
 たった一晩であったがユサは2人のやりとりに慣れ、笑っていた。

「ところで2人はこの街に何か宛があって来たの?」

 ここで言うユサの宛と言うのは狙いの賞金首のことであろう。

「特にないけど、大きな街だからきっと何か得ることはできるだろうって思ってる」

 ルゥがメチレンの頭をベシベシ叩きながら返事を返す。

「どうでもいいけど、あたしはご飯が食べたい」

「そうね。もうお昼すぎちゃってるだし、ご飯をどこかで済ませましょう」

 一行は適当に近い安そうな店に入った。
 あいにくテーブルはいっぱいだったので一行はカウンターに座った。

「街に着いちゃったけど、ユサはこれからどうするの?」

 メチレンが注文したオムライスをほお張りながら尋ねる。

「食べながら喋るんじゃない」

”ベシッ!”

 メチレンはルゥからいつもの鉄拳を食らった。

「そうねぇ。とりあえず、情報を集めようと思うの」

「何か手がかりあるの?」

「ん~名前だけね…」

「昨日話してた人のことだよね。なんていう人?
 もしかしたらあたしたちが持ってる情報あるかもよ?」

「あんまり期待できないけど…」

 メチルがスパゲッティーにフォークを巻きつけながらつぶやき、メチレンが「失礼な?!」と、怒る。

「変わった名前なんだけど…」

「???」

「タランチュラ…って知ってる?」

 ユサからとんでもない言葉がとび出した。
 その瞬間、さっきまで騒がしかった店の客は一瞬黙り込み、鍋を振っていた店の店員の手までも静止した。
 ルゥやメチレンの顔まで怖い表情で止まっている。

「あれ?みんな?どうしたの?」

「ユサ…タランチュラを捕まえる気?」

 ルゥが怖い声で聞いてきた。

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