タランチュラ 本編

「ユサも言ってやってよ!負けたんだから約束を守れって!」

 メチレンと呼ばれた金髪は相方を睨みつけながら訴えた。

「そぅねぇ~」

 ユサは困った顔をした。ユサの性格なら、約束は守るべきだと言うのだが、その約束の内容が内容なだけに上手くその場をまとめることができなかった。
 その約束とは「メチレンが勝ったら新しいペットを飼い、ルゥが勝てばピヨ子を食べる」というものだった。
 新しいペット。生き物をそう簡単に飼う決断をしていいものか…。
 反対に今飼っているペット=もともと食料源らしいが、食べてしまうのもかわいそうだ。
 おそらく2人の性格上、ピヨ子をメチレンが飼うと決めたのに、ルゥが面倒を見る羽目になっていて、さらに、今の状態でペットが増えようとしているのだろう。
 命あるものだから慎重に考えるべきだ。ルゥのピヨ子を食べると言うのはおそらく本気ではないのだろうが、このまま黙っていてルゥの苦労が増えるのはあまりにもかわいそうだ。
 
「そういえば、ピヨ子は?」

 ユサは話を逸らす作戦に出た。

「ピヨ子は宿に泊まれないから、知り合いに預かってもらっているの」

「預かってくれる人がいてよかったわね。
ところで、 ピヨ子ってどういう経緯でメチレンたちのペットになったの?」

 メチレンは一瞬困った顔をして考え込んだが、突然閃いたような顔をして忘れかけていた記憶の糸をたどって思い出を語り始めた。

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