タランチュラ 本編

第2章 /2)ババ抜き大戦



「残念ねぇ」

 大浴場はまだ使えないようで、入り口には『貸し切り』という達筆な筆文字の板が入り口にぶら下がっていた。

「本当、残念…」

 メチレンもつまらなそうにぼやき、そして二人は同時にため息をついた。

”ガチャ”

 部屋に付いている小さな風呂…とは言っても小さな浴槽にシャワーが付いている狭いシャワー室のようなもの扉が静かに開いた。
 中から、シャワーを浴びたルゥが頬を赤くして、湯気を出している。
 不思議なことに風呂上りでまだ乾ききってない頭の上から白いベレー帽をかぶっていた。

「あ。ルゥが出てきた」

 仲居さんが敷いてくれた布団にだらしなく寝っ転がっていたメチレンが飛び起きた。

「ルゥ、ちゃんと髪の毛乾かさないと風邪ひくよ?」

 ユサが忠告したが、ルゥは微妙な返事をするだけで、帽子を脱いで乾かそうとはしなかった。
 そのかわり、暇そうな2人に尋ねた。

「何やってるの?」

「お風呂がね、使えなかったから、ここでユサと暇つぶししてたの」

「そうなの。お邪魔してまーす」

「ふ~ん。
 で、もしかしてここに入るの?2人で?」

 ルゥが顔を引きつらせて言う。それにメチレンがつまらなそうに返事した。

「まさか。ここでは泳げないじゃん」

「ははは。泳ぐ気だったんだ…」

「迷惑な奴…」

 ルゥとユサが呆れたが、メチレンはあまり気にしてなかった。

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