タランチュラ 本編

「負けないのもすごいが、勝てないのもすごいなぁ」

 ロスメタはルゥのトランプの勝負強さに感心しながらも、メチレンの勝負弱さにも感心してしまった。

「ところで2人は仲いいけど、いつから一緒にいるの?」

 メチレンが考える。

「いつかな?」

 ユサ質問にメチレンもルゥに聞く。覚えてないようだ。

「ずっとだよ」

 ルゥはそっけなく答えた。

「じゃぁ、幼馴染なの?」

「そういうことになるね」

「そして今は夫婦!」

 しばらくの沈黙。メチレンに天誅が下ったのは言うまでもなかった。

「メチルくん!女の子に暴力はいけないよ!」

 初めてこのやり取りを見たロスメタは女の子に容赦なく手を挙げるルゥに驚き、ルゥに注意する。

「確かに、ルゥはメチレンに容赦ないわよね。
 もう見慣れちゃったから何とも思わなかったけど、言われてみたらメチレンがかわいそうかも」

「「え?」」

 ユサまでメチレンを擁護する発言。ユサとロスメタの言葉に、2人の子どもが動揺した。

「よ、余計なこと言わないでよ!」

 メチレンの動揺が半端ない。

「なんでメチレンが怒るの?叩かれたり、殴られて痛くないの?」

 ユサが心配そうにメチレンを見る。

「私は今のこの関係が気に入ってるのー!」

 メチレンは一生懸命余計なことを言わないようユサとロスメタに言い聞かせていたが、無駄であった。
 考え込んでいたルゥが反省した表情でメチレンに言った。

「言われてみたらそうだね。
 君みたいなか弱くて、可憐な女の子に手をあげていた僕が間違っていたよ」

 メチレンの顔がだんだん青くなる。

「これからは、ちゃんと口で注意するよ。ごめんね、メチレン」

 ルゥがとても優しい顔で笑った。一方、メチレンはロスメタの襟元をつかみ、ロスメタの身体を大きく前後に振った。

「ユサとロスメタのバカー!
 私たちの愛情表現を邪魔しないでよー!」

 半泣きで文句を言うメチレン。ユサとロスメタは、そういう趣味だったのか…と思った…が。

「ルゥのスパルタ教育は怖いんだぞー!」

 これが本音か…と苦笑した。

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