タランチュラ 本編

「僕達が今、向かっているのはタランチュラと接触したことのある数少ない人物のところだ。
 タランチュラが国家に仕えていた最強の殺し屋だってことは知ってるだろ?」

 ユサはうなずいた。

「当時、その殺し屋はタランチュラの他にも大勢いた。まぁ、その大部分が処刑されてしまったんだけどね」

 ロスメタは困ったような顔をしてため息をついた。ユサはそれを真剣に聞いていた。

「しかし、処刑されたのは全員じゃない。潮時を悟った数組の殺し屋達は…逃げたんだ」

「え?逃げちゃったの?!」

「あぁ。今は普通に素性を隠して生活をしているらしい。
 で、今回、僕が得た情報と言うのは、その生き残りの1人の居場所さ。
 まぁ、これだけ大きな街だ。前から目は付けていたんだけど、場所が特定できなくてねぇ~…苦労したよ」

 ロスメタは満足そうに高笑いをした。さっきまで信用してなかったユサも、今では興味津々である。

「それでどんな人なの?」

「当時『ピジン』と呼ばれた2人組の片割れで、あまり大物じゃない。
 しかし、情報を色々扱っていたらしいから、今の僕たちにこれ以上の有力な人材はいないよ」

「へぇ!すごい、すごい!!それで、その人はなんて名前なの?」

 ユサが目を輝かせて聞く。それにロスメタは楽しそうに少しじらしてから言った。

「組織では『レニウム』と言う名だったが、今は結婚してて、名前も変えてるそうだ」

 そして続けた。

「僕たちはこれから、その人に会うため、『エーテル』という人の家に行く」


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