タランチュラ 本編

第3章 /1)黒スーツ

 太陽は空高く、天候は良好。風は弱く、日向ぼっこには最適な天候だ。
 街はランチタイムでにぎわっていた。

「ママー、あの人たち何してるのー?」

 小さな少女が母親の服の袖を引っ張り、指を指す。
 指差された先には、黒いスーツにネクタイ、サングラス姿の怪しい男たちが数名いた。

「指差しちゃいけません!」

 少女の母親が娘の指を慌てて下し、そそくさと怪しい男たちの視界から逃げた。

「対象がこの街に向かったという情報は、多数確認されました」

「この街での対象の目撃情報も多数確認されました」

「よし。奴がこの街を出る前に何としても捕獲するのだ!」

「しかし、この街は人が多すぎます」

「多少の犠牲は構わん!奴を…ロスメタを何としても捕獲するのだ!」

「はっ!!」

 リーダー格の男の一言で、黒服の男たちは揃って敬礼し、四方八方に散らばった。

「一刻も早く…ロスメタが奴らと接触する前に…」

 1人残ったリーダー格の男は、誰もいなくなった後、静かにつぶやいた。


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