タランチュラ 本編

第3章 /8)ひゅ~



「まずいなぁ、このままだとあの人に見つかるかも」

 以前の爆発事故で飛び散ったと思われる瓦礫の陰に隠れ、銃弾を防ぎながらロスメタは苦笑した。

「これ以上大事になると逃げられなくなるな…」

 事を早く収拾させることを望んだロスメタは、刀を構えた。
 その瞬間、大きな爆発音が聞こえた。

“ドカーン!!”

 状況が理解できないロスメタは、構えを解き、物陰からこっそり様子をうかがった。

「なっ?!」

 ロスメタは、目に映った光景が信じられなかった。
 先程こちらに向かって銃弾を放っていた黒スーツの男たちは倒れて、その後ろには、ルゥの姿があったのだ。

「なんで戻ってきた!?」

 ロスメタの無事を確認したルゥは安堵の息を漏らす。

「ロスメタが帰って来ないとユサが心配するだろ?」

 ルゥはにっこり笑いながら杖で地面に魔法陣を描く。

「さっきの爆発は何事だ!?
 …誰だ貴様!!」

 もともと崩れていた塀が、ルゥの爆発魔法でさらに崩れ、塀に通り道ができた。塀の中から出てきた別の黒スーツの男たちがそこからルゥに向かって銃を構える。
 それに対し、ロスメタが素早く反応し、男たちを切りつけた。

「君が帰らないと、メチレンが心配するだろ?!」

「大丈夫、僕は帰るから」

 ルゥは地面に向かって杖を付いた。

“ゴゴゴゴゴー”

 大量の水が残った男たちに向かって流れ、男たちは目を回した。

“パンパンパーン”

 今度は塀の外から、応援の男たちが集まってくる。
 ロスメタとルゥは銃弾を避けて、塀の壊れたところから、塀の内側に駆け込んだ。そして、どんどん建物の中に追い詰められる。
 塀の中の大きな建物は以前の爆発事件により半壊しており、外塀よりも脆くなっていた。
 次々と現れる黒スーツの男たちを倒していき、一区切りがついた2人は安堵の息を漏らした。

「君は…ムチャをするなぁ」

 ロスメタは肩で息をしながらルゥに笑いかけた。

「…メチレンほどじゃないけどね」

 息を整えたルゥもロスメタに笑いかけた。

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