タランチュラ番外編 ラビット物語

第二章 /現在 夜のつどい



夕食はメチレンたちもお呼ばれされ、一緒に食べた。
小さな喫茶店に全員が集合して、みんなで手を合わせて食べる。

決して豪華とは言えず、野菜中心の食事。子どもたちが協力して作ったそれは味はいまいちだが、一生懸命な気持ちはこもっていたので、あまり野菜が好きじゃないメチレンも文句は言わず食べた。ただ、顔に苦手と不満は前面に押し出していた。

さっきはあまりしゃべらなかったメチルもいつもの調子で普通に男の子モードでだが、マグともメチレンとも話をして、食事を楽しんだ。

リンは相変わらず無口無愛想でほとんど食事には手をつけず、隣に座る小さな子どもの食事を手伝ってやっていた。他人に興味がないリンが子どもの口を拭ったり、食べさせたりしている姿は、母親のように見え、メチレンもメチルも驚いた。だが、他の誰もが驚かない。これがここでは普通なのだと言うことに、ますます驚いた。

食事が終わるとみんなで片付け。集団生活が定着し、みんな協力して手際よく動いていた。

「レン姉ちゃん、そこ違うっ!さっきも言ったよ」

お手伝いをしてみたが、自分より幼い子どもにダメ出しをされるメチレン。大きさがバラバラのお皿を積み重ねているのを注意された。

「えー、お皿はお皿じゃんか~!子どものうちからそんなに細かいと、大きくなったらルゥみたいに融通がきかない大人になるよ」

べーっと舌を出すメチレンをメチルが小突く。

「誰が融通がきかないって…?」

口元がヒクヒクして笑顔。怖い。思わず目をそらしてしまう。

「なんのこと?知らなーい!」

白を切ろうとするメチレンをメチルが冷たい眼で見つめる。その足元に小さな子どもがやってきた。5歳くらいだろうか。メチルの腰ほどの背丈で、メチルの服の裾を引っ張る。

「お姉ちゃんがね、ゆーずがきかないって言ってたよ」

小さな密告者の登場に一同目を丸くして固まり、笑いがおきた。

「わーっ!なにこのちっこいの!」

メチレンが慌てる。メチルは子どもの目線まで腰を落とすと頭を優しく撫でた。
ありがとうと言うと、嬉しそうに笑ってマグの元へテテテテと走って隠れた。

この後、メチレンがお仕置きされたのは言うまでもない。


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