タランチュラ番外編 ラビット物語

第三章 /朝を迎え

ラビット物語19




「ピーピーピヨピヨっ!」

朝日が顔を出すと同時に騒ぎ出す甲高い声にメチルは目を覚ます。

「ぅ…うるさいっ」

メチルは眠気眼を擦りながらやかましいピヨ子を鷲掴みにする。這いながらカーテンをチラリ。朝日が眩しい。

「もう朝…か」

昨夜危うく焼き鳥にされかけたピヨ子だが、初犯ということで許された。許したのはいいが、生活習慣というか鶏の早起きと言う本能に苦しめられる。やっぱり焼き鳥にすればよかったとメチルはちょっとだけ悔いながらメチレンを揺する。

「レン、ピヨ子が呼んでるよ…散歩、今日こそレンが行ってよ」

ピヨ子を飼い始めてまだ数日。超早起きのピヨ子は毎朝朝日と共に起床し、起こしてくる。世話をすると言って飼い始めたのに、寝坊助のメチレンは朝起きれない。毎朝メチルが散歩につれていっているが、今日こそはメチレンには行かせたい。

「今日は無理ぃ~…明日行くからぁ~…」

お決まりのサボり文句。絶対守らないやつだ。

「レンってば!昨日もその前もそれ言ってたよ!」

もう騙されない。

「明日こそホントぉ~」

これも守らないやつだ。布団を頭まで深く被って出てくる気配はまったくない。

「明日起きなかったら、もう知らないからねっ!」

イーっとメチルは歯を見せて不満を表してみるが、メチレンは布団から手だけ出して手を振り、その心知らずだ。

「いってらっさーい…」

イライラしながらメチルは手早く身支度を済ませ、ピヨ子と外に出た。

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