タランチュラ タラレッドその後

第四章 /サニー襲来


「おはようございまーす」

元気よくあいさつをするのは橙色の長い髪の女。きっちりした制服を着こなし、ピシッとしているが優しげな顔立ちが柔らかい印象を与える。
彼女の登場に少女三人が勢いよく振り向く。

「なっ!」
「なにしに来たのー?」
「………」

女の顔を見て明らかに驚く三人。
それもそのはず。ここは民間賞金稼ぎ協会本部。只今会長不在。先日の脱走の一件で国家賞金稼ぎ協会に連行されてまだ戻っていない。

会長がいなくても有能な秘書たちの働きで協会は大きな問題もなく稼働しているが、やはりトップがいないと締まらない。さらに、多くはないが重要案件は会長の判断が必要だ。そっちは会長の許可なく判断を下すのは、あとあと気まぐれな上に、囚われの身から解放されて間もない機嫌の悪い彼女の逆鱗に触れるきっかけになりかねない。下手なことはできない。

そんなところに現れたのは、会長不在の原因を作った国家賞金稼ぎ協会会長の秘書、テルミットだ。何の用事で来たのか。
もしかして、会長ことブロモチモールを処刑でもしたのか。

少女の一人、アメリーシアムが睨み付ける。彼女は少女たちの中で最もブロモの従順な部下である。

「そんな怖い顔しないでー」

明らかに向けられる敵視に苦笑する。

「ブロモチモールさんは確かにうちの会長が身柄を確保してるけど、ビックリするくらい元気だから安心して」

やや困惑した笑顔を向ける。
そのオブラートに包んだ表現に少女三人は逆に苦笑した。

おそらく、その言葉の通り体調はビックリするくらい元気なのであろう。それに加え、彼女の性格の本質、わがままを全力で貫き通しているに違いない。

三人娘は深々と国家の秘書様に頭を下げた。

「うちの会長がご迷惑をお掛けしております」

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