エンゼルランプ 【完】

episode.1 /出会い sideルカ





6月下旬、梅雨なんて時期あっただろうか…とそれほどあっという間に蒸し暑い日が続いていた。




「ルカ、あとは頼んだ」



漆黒の髪が目にかかるのを鬱陶しそうに手で払うと、灰色の煙を漂わせながらそう言い放つ圧倒的なオーラを醸し出す男。




「はいはい。今日は珍しくこの後予定ないから、屋敷に帰られます?」


「…ああ」




必要最低限しか言葉を発しないこの男は、煙草片手に無駄に長い足をゆったりと動かし愛用車に乗り込んだ。



「ルカさんはどうしやすか?若とご一緒に屋敷に戻られますか?」



そう言って運転席から強面の顔を覗かせてきた千田に「仕事片付けてから帰るから」と緩く応えると「お気をつけて!」と静かに車を発車させて去っていった。


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