腹黒お嬢様と天才ハッカー㊦【完】

番外編 /未来








ミーンミーンミーン....





....セミの鳴き声が煩い

ついでに暑い。ひたすら暑い。



べとつく暑さに思わず手でうちわを作って自分を扇ぐ俺

それでもいっこうに涼しくならない。


木陰に入っても真夏の熱は容赦なく俺を襲い、
息をするのさえ疲れる

空を見上げると木の枝葉の間から真っ青な広い空が見え、
俺はあまりの青さにかき氷のハワイを思い出した




ふー....。




体の熱を外へ出すように息を吐くが、妙な倦怠感を感じるだけで。

額の汗を左手の甲で拭うと、俺はスマホで時間を確認した



もうすぐ三時。待ち合わせの時間だ。





「みんなちゃんと来てくれるかな...」


ポツリと呟いた俺

その言葉に、隣にいる男がダルそうな声で言った


「来るんじゃねぇの?久しぶりに志貴に会える!ってはしゃいでたし」


一の宮尚が甘いマスクに浮かんだ汗を高そうなハンカチで拭いながら、
俺、相模達樹を見た




高校卒業後、尚はそのままホストになった。


はじめは見習い程度だったが、今はお店で注目の新人として一目置かれているらしい

まあまだNo.1どころかNo.5にもなってないけど。


藍色の髪は健在で、でも前と比べて少し長くなり、体も全体的に痩せた。

いかにも夜の店で働いています、っていう雰囲気だ。



今はお洒落なシャツにシルバーのネックレス、
そして片耳にだけつけた金のピアス。

そして爽やかな香水の香り。




まったく尚らしい。





俺はというと二人と違って大学へ進んだ。

今年で卒業だけど。



焦げ茶の髪は尚とは反対に全体的に短くして。

視力も低下したので去年から眼鏡をかけ始めた。




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