私はまた飛び降りる【完】

12月 /雨






「雪城さん、傘持ってないの?」

「……」 





その日は、地獄のような氷雨が降っていた。

冬に降る雨は、私の嫌いなものトップ5に入る。

冷たい風と冷たい雨。外も中も凍らせるその寒さに、私はいつも半泣きだった。



そして今日はなんということか、傘を忘れてしまったのである。

寒すぎてギリギリまで布団の中にいた私は天気予報を見るのを忘れ、傘を持たずに登校。

そして昼頃から雨が降り始め、さてどうやって帰ればいいか……と呆然と立ち竦んでいた。



職員室に言って傘を貸してもらおうかな……


そう考えていた矢先、教室に山吹誘が現れ、少し顔が青い私にさっきの言葉をかけたのだった。

窓に当たって水の筋を作っていく雨粒を視界の端で捉えながら、私は固まった。




ちなみに教室の中には私と彼の二人きり。




私は雨が降っているというショックでしばらく席から立ち上がることも出来なかったヘタレで、正気に戻った時は既に教室には誰もいなかった。

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