私はまた飛び降りる【完】

1月 /違い




「雪城さん、大丈夫?元気なくない?」

「え、だ、大丈夫……」

「そーう?上の空って感じだよ?」



目の前で肉まんを頬張っていた梓さんが、心配そうな面持ちでそう言った。

可愛い女の子はなにを食べても可愛い。ピザまんがましゅまろに見えてくる……

私はあんまんを手にしたまま、曖昧に微笑んだ。……かなりひきつった笑みだと思うが。



コンビニで買った熱々の肉まんを二人で食べながら、私は今の状況をもう一度確認する。



山吹誘の恋人、梓さんから遊びのメールが届き、迷いながらも来てみたが……何故に肉まん。

寒い公園のベンチでモグモグと食べる肉まんは、確かに美味しいが……

私が言うのもあれだけど、もっと違うお店にしたほうが良かったんじゃ……



ふわふわな髪をポニーテールにして更に可愛くなった梓さん。

あひる口がチャーミングで、まるでキスを誘っているかのよう。



そして私は相変わらず髪を下ろし、寒風に思うがままにされている。

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