私はまた飛び降りる【完】

2月 /別れ






葉のついていない大木の下、乾いた風が吹く中、私と山吹誘は向かい合っていた。

骨まで凍ってしまいそうな極寒。

無人の公園で二人、見つめ合う。



強い風に、遊具のブランコが揺れて不気味に軋んだ音を立てる。

ギーギーと鳴くそれは、今の重い空気をより一層張り詰めたものにした。



私は想像していなかった展開に、ただ口を固く閉じて、山吹誘の目ではないく彼の顎に視線を固定する。

その顎が動き、山吹誘は言葉を発した。



「で……雪城さん、いい加減答えてよ」

「……」

「なんで梓と、付き合うのか」



ただでさえ低い気温が、さらに急降下しそうな彼の声。

冷たくて低い山吹誘の声は、私が最も苦手とするもののひとつだった。







──────放課後、私は山吹誘と共に学校を後にした。






女子たちの射すような視線を背中に感じながら、久しぶりの彼との時間に浮かれていた自分。

けど、山吹誘は私を公園に連れていくと、唐突に



「なんでまだ梓と一緒にいるの?」



さっきまでの優しい雰囲気を風に流し、氷のような眼差しで私を捉えた山吹誘が、ゆっくりと問いをぶつけたのだった。

0
  • しおりをはさむ
  • 187
  • 31189
/ 370ページ
このページを編集する