私はまた飛び降りる【完】

前世 /終わり





……気がつけば、朝だった。




終わりを知らない夜の行為に気を失い、目が覚めると部屋が薄明かるかった。

乱された和服はいつの間にか寝間着に変えられていて、血のついた布団も新しいものになっている。

倦怠感に、痛む下半身。胸元で赤く散った華。



昨夜の出来事は夢ではないと、誰かが私にそう囁くようだった。




思い出して吐き気が込み上げ、慌てて口元を押さえる。

嘔吐しそうになる衝動と共に私を襲うのは、どうしようもない絶望と罪悪感。




私は……冬季さんと……

父に報告すべき?……いや、そんなこと出来はしない。

純潔を失った女を貰ってくれるような家など、なかなかない。

私のような大きな家、ならば尚更。


良い家に嫁ぐのが私の役目。

なのに私が純潔ではないと知られたら……



古風な考えかもしれないが、この事実ひとつで縁談が破談するのは多い。




私は誰にも言えない昨夜の悪夢に、また涙を溢した。

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