私はまた飛び降りる【完】

11月 /先生




─────それから約三十分後、田村君は「ごめん」という言葉と共に、罰ゲームとして私に愛の告白をしたということを話してくれた。




私は赤坂さんのことは言わず、ただ無理に笑顔を作って前髪で涙に濡れた赤い目を隠した。



「ありがとうございます。罰ゲームとはいえ、私なんかに構ってくれて……楽しかったです」




自分の感情を偽り、平気な声を出す。

私は弱い。だから、自分を偽ることで精一杯。

田村君は私の言葉に安堵し、笑顔で別れを告げて去っていった。




その後にまたポロリと涙を溢した私に気付かず。




初恋は淡く散り、私は再びぼっちの学園生活に戻った。

でも、いくら怖い小説を読んでも私の頭の中にちっとも内容が入らない。

ズキズキと痛む胸に、瞼の裏に浮かぶ田村君の笑顔。

忘れたいのに消えない。思い出しくないのに考えてしまう。



恋って……苦しい。




放課後は、あの空き教室に行って窓から二人を見下ろした。

仲良く手を繋いで帰る、田村君と赤坂さんを。

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