生贄のイヴ姫【完】

毒の過去 /真実の罪人



消えたもうひとりの私。

悪魔の私の、ローズガーデン。

 
そこで咲き乱れる無数の薔薇が、一輪ずつ黒に染まっていく。

脳内で咲く記憶の欠片。私の前世の記憶たち。



私は目を閉じて、その記憶の映像に溺れないよう、静かに息を吐いた。



思い出す、ファイとの初めての出会い。

思い出す、あの追っ手を殺した記憶。

思い出す、前世の人生。




思い出す、始まりのイヴの記憶。




最も濃く、最も異常な記憶に、私の心が離れなかった。



次々と記憶が蘇っていくのに、始まりのイヴに囚われたままで。

前の前世、生贄の儀式、殺され方。色々と集中しておかなきゃいけない記憶もあるのに、何故か逃げることが出来なかった。




始まりの、イヴ。


失楽園の元凶。

最初の罪人。

この世で一番初めの、混血の女。

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