白い毒のキス【完】








「────もう、いつ死んでも可笑しくないって」






無機質な白に染まった個室。

薬や点滴の匂いが漂う、生気があまり感じられない病室で、私は彼に言った。




真っ白なベッドの上で上半身だけを起こし、薄桃色の服を着た私。

かなり痩せてしまった細い体は、少し力を入れただけで悲鳴を上げる。

体力が日々削られ、こうして起きて喋るのも疲れるぐらいだ。



ハニーブラウンの髪は、すっかり艶がなくなり、枝毛も増えて。

目の下に出来た隈に青白い顔が、私の言葉が事実だというなによりの証拠だった。




ベッドの側に簡易椅子を置き、そこに座っている青年は私の発言に声を失ったまま。

お揃いの髪色に、スラリと高くて細身の体。

私とは違う血色の良い肌、鼻筋の通った鼻、そして涼しげな一重目蓋の目。



誰に聞いても彼は、「イケメン」と呼ばれる人種だった。

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