売れない僕の需要無き作品【完】

愚痴。






真っ白なスクリーンが、目に痛かった。




本当に真っ白、初雪も粉雪も、雪国の景色でさえも白旗を挙げて降参するぐらいに真っ白なパソコンのスクリーン。

控えめな機械音を囁きながら、僕の行動を待っているそのパソコンを睨もうともせず、僕は頭を抱えていた。


ああ、勘違いされないように先に言っておくけど、今の「頭を抱えている」という表現は、
ネットでたまに見る意味がわかれば怖い話、で出てくる、人の生首を抱えている状況を指しているわけではないからね。


え?そんなこと分かってるよって?

……ごめん、この文章を誰が読んでいるか分からないし、普段日常的にこういう怖い事を考えているから、どうも不安でさ。



話を脱線させてすまない。まずは、自己紹介から始めようか。


僕は……まあ、名前はいいか。ネットに本名を堂々と晒すなんて、怖くて眠れなくなるからね。

職業だけは教えておく。小説家だ。売れない、そう、売れない小説家。

ジャンルはホラー。日常に潜む恐怖を綴るのが僕のお仕事ってわけさ。



けどね、暴露しよう。ホラー小説家だからと言って、僕は別に霊能力者じゃないんだ。

幽霊なんて生まれてこの方見たことも感じたこともないし、呪われたことさえない。

なら、なんでこんな仕事してるんだって話だけど、答えは単純明解だ。好きだからさ。



けれど、ホラー小説なんて、万人受けするジャンルじゃない。

一般人が好むのは、視覚という最高の味方を取り入れた映像の世界でのホラーだろう。


文章で恐怖を表現するのは、僕個人で言わせてもらうけどとても難しい。

なんでって、そりゃあ、恋愛とか冒険物語と違って恐怖は、冒険も出来ないし、遊べないからね。

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