君しか見えない①【完】

#10 /<side by ジュノ>

「今年度の予算、2%増も厳しいでしょうか」


さっきから何度もしている質問に答えてもらえない。


静かにため息をつくと、


「お話し中悪いけど」


「はい?」


「会長、首の包帯に血が滲んでる」


はっと、首筋に手を当てた。


「手当てし直した方がいい。救急箱は、あそこかな?」


顧問は、目についた救急箱を棚から取り出す。


包帯に掛けられた手に、


「大丈夫です。自分で出来ますので」

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