君しか見えない①【完】

#14 /<side by ソウ>

いつも通り、送迎車で帰っていた。


部下も言っていた。"人形"のようだと。


昨日、思いのままに口づけたことが、原因になっているかもしれない。


朝からずっと何も言わない。


そんなジュノちゃんが突然声を発する。


「停めて、停めてください」


そしてすぐに扉を開けて、車外に飛び出して行く。


「ジュ、ジュノ!」


後ろからクラクションが鳴らされ、車が走り出す。


「僕も降りる」


数メートル先でハザードランプをつけ、停まる送迎車。


ジュノちゃんを追うつもりが、見失ったまま立ち尽くした。

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