冷たい獣【完】

13

濡れた唇を見ると、後ろめたさが一気に押し寄せる。


その火の点いた様な眼差しも、目をそらさずにはいられない。


顔を寄せられると、無意識にそらしてしまう。


それを予期していたように首筋に寄せられる唇が、酷く優しい口づけを私に残す。




「今、出ます」


ゆっくり床に立たされると、震える膝が言うことを聞かない。


慌てて力を込める。




…鷹峰さんが来た。


あの声、凄く怒ってる。



取り返しのつかないことをしてしまった。


また、冷たい言葉を浴びせられる。

0
  • しおりをはさむ
  • 542
  • 14918
/ 819ページ
このページを編集する