冷たい獣【完】

20

夢の中ではしっかりと掴まえた腕は振りほどかれ、目覚めたら布団には1人だった。


しっかりと着させられた浴衣。


すぐに起き上がって周囲を探し、和室の扉を開いた。


頭を下げた人物が隅にいて、思わず息を飲む。


後退りしそうになりながら、白髪混じりの頭髪に目を止めていると、


「こりゃまぁ、嬢とそっくりな」


顔を上げ、顔中に皺を寄せながら笑った。


座布団もない場所にしっかりと正座した姿に、部屋の時計を確認すると、10時を示していた。


「……あの、鷹峰さんは…」


「出掛けられましたよ」


「どこへ」

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