出会い系サイトの彼女。【完】

消去 /消えた美少女

気が付くと走り出していた。


人混みの間を縫ってめちゃくちゃに走った。

息があがって、心臓が割れそうなほど痛い。

それでも走るのをやめられなかった。




写真の彼女は死体で発見されたと書いてあった。

なつきは、電車を降りてくる。

間もなくアルタ前の巨大スクリーンを背にして、雑踏の中に立つだろう。

彼女は携帯電話に文字を打つ。

「ついたよ♪」

なつきは、もう泣きぼくろのある美しい顔をしていない。

大きな目をつけた異様な女が、小さすぎる口で、薄く笑う。





俺は恐怖心だけで駅から反対方向に走っていた。

赤信号を無視して道路に飛び出し、タクシーにクラクションを鳴らされた。

汗が流れる。

体が寒い。

携帯がポケットの中でぶるぶると鳴っていた。



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