出会い系サイトの彼女。【完】

消去 /消したい記憶

漫画喫茶を出ると、もう夜だった。

高層ビル群の最上階で、赤いネオンが点滅している。

電灯、イルミネーション、巨大な広告塔から眩いほどの光があふれだし、あたりは昼間のように明るい。




大きな鉄球を両足につけたような足取りで、俺は駅に向かって歩き出した。

途中、交番が目に入った。

制服を着た警察官が、暇そうに鼻をほじっている。

俺は死んだような目で警察官を見つめた。



児嶋百合香さんを殺した犯人、俺、知っているかもしれません。




ふいに警察官と目があった。

俺は慌てて視線を逸らし、足早にその場を通り過ぎる。




だめだ。

無理だ。



俺には言えない。







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