出会い系サイトの彼女。【完】

監禁 /傷跡

「……嘘だろ」



思わずつぶやいた瞬間、何か嫌な予感がして振り返った。


胸騒ぎがする。

まさか、なつきが帰ってきたんじゃないか。


ガチャン




郵便受けを開ける音が、とんでもない大音量で鼓膜を震わせた。




まずい。


電源を落とせ。


パソコンの右端を見る。手錠をした状態ですぐにボタンが押せるわけがない。




ガチャン




玄関のドアに鍵を差し込む音がした。間違いない。なつきが帰ってきた。

だめだ。


間に合わない。



思うが早いか、パソコンのコンセントを口で思い切り引っ張った。

額から汗が吹きだし、体中の血液が逃げ出そうと暴れまくる。


画面も確認せずに床に転がった。

殴るような心臓の鼓動に、吐き気がする。

寝たふりをしなくてはいけないのに、膝の震えが止まらない。






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