出会い系サイトの彼女。【完】

監禁 /side由香



アパートに帰りついたのは、真夜中、一時近く。

駅前のファーストフード店で、一人でコーラを飲んでいた。

そろそろ帰ろうと思った頃には、コーラはほとんど砂糖水になっていた。



玄関の奥は真っ暗で、何も見えない。

台所の電気をつけて、音をたてないよう歩きながら、白いドアをそっと開ける。

裕さんが眠っている。

その隣に、なっちゃんがいた。

裕さんの首の辺りに、なっちゃんの顔がぴったりとくっついている。

二人は、床に掛布団だけを掛けて眠っていた。


黒い雨が、胸の奥にぽつりと降った瞬間、

裕さんに抱きついているなっちゃんが、広尾くんに重なった。


『好きなんだ』



猛烈な吐き気が襲ってきて、急いで台所に引き返す。

コップに水を注いで、一気に飲み下した。

膝が折れて、あたしはその場に座り込んだ。


いやだ。

いやだ。

子供みたいに「いやだ」しか出てこない。

懸命に記憶を追い出そうとしても、フラッシュバックが止まらない。


ぜいぜいと荒い息を繰り返しながら、膝を抱えてうずくまった。

小刻みな震えが膝から体に、抗えない力で伝わっていく。









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