出会い系サイトの彼女。【完】

加害者 /殺人犯

「ゆう、ごはんだよー」


カチャカチャと食器を鳴らしながら、なつきがふすまを足で開ける。

俺は読んでいた本を閉じて、顔をあげた。

なつきが両手で持っている盆の上には、二人分の食事が乗せられている。



慣れって、すごいもんだな…。


俺は、なつきの顔を見ても、もう恐怖しない自分に驚いてしまう。


ここにきて、すでに二週間が経とうとしていた。

今や俺は、この監禁生活を当たり前のように受け入れていたんだ。





生活の全ては、6畳の和室。


朝、起きて、なつきに体を拭いてもらい、替えの下着を受け取る。

首輪をしたままだから、与えられる洋服はラフな半そでのYシャツだった。
下は、大体灰色のスウェット。

着替えを終えると、食事をして、ビデオを見たり本を読んだりして過ごす。


トイレは子供用のおまるにさせられていた。

おまるを差し出された時の衝撃は今でも強烈に覚えているけれど、もうずっと昔の出来事のように感じる。

たしか、昼の情報番組が終わるころだった。

トイレに行きたいと言ったら、なつきが「これにしてね」と、押し入れから出してきんだ。

おまるの底は、よく見ると微妙に黄ばんでいた。


児嶋百合香もこれを使ったのか。


そう考えたら、気が狂いそうになり「トイレに行かせてくれ」と何度も叫んだ。

なつきは、「じゃあ、漏らせばいいよ」と言ってふすまを閉める。

結局、俺はその日の夜遅く、おまるに排泄した。



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