出会い系サイトの彼女。【完】

殺人 /真夜中の訪問

なにかが、俺の布団の上を滑って、頬を掠めた。


………?


浅い眠りを繰り返していた俺は、すぐに目を覚ました。

目を細く開けてみる。


真っ暗闇の中、小さな光が揺れていた。


蛍のような光の背後に人影が見える。


携帯のライトか何かを持っているようだ。


心臓が、とくんとくんと速さを増していた。


誰だ―――なんて考えなくても分かる。


由香しかいない。



……こんな夜中に、どうして?




俺は目をつぶったまま、小さな光が瞼の向こうで移動する様子を見ていた。


布がこすれる音が、近づいてくる。


やがて、俺の枕元で、その人影は止まった。


不思議と怖くはなかった。


どのくらい、じっとしていただろう。


そっと目を開けてみた。










――――由香が俺を、じっと見下ろしていた。





0
  • しおりをはさむ
  • 2661
  • 1172
/ 421ページ
このページを編集する