出会い系サイトの彼女。【完】

一日 /最初で最後の

周りは一面の、赤。



頭上にはいくつもの細い血管が折り重なって、網の目のように張り巡らされている。

目を凝らせば、血液の流れる様子まで見えそうだ。

俺はふしぎな気持ちでその場所に立っている。


自分が小さな微生物になって、なにかの体内に潜り込んだみたいだ。

それでいて、プラネタリウムの中から星を眺めるように世界と俺は離れている。


あったかい。

ぬるま湯に浸かっているような心地よさだった。

このままここにいようかな……。

そう思った次の瞬間、真っ赤な世界が一直線に裂けて白い光が差し込んだ。

俺はあまりのまぶしさに、目をつぶる。


………あれ?


いつの間にか、目の前に――なつき―――いや、由香?が立っていた。


いまいちどちらか確信が持てない。

確認しようとして、じっと見た瞬間、女がまばたきして―――なぜか。

俺は今までこの瞳の中にいたんだ、と思った。


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