出会い系サイトの彼女。【完】

……これから、どうしよう。


二日酔いで重労働をしたみたいに、俺の体は今にも崩れそうだった。








とにかく、由香に連絡をとらなきゃいけないことだけは明白だ。

なつきを殺せなかったことを言って、それから、どうする。


……説得?

『なつきにも良い部分はあるはずだから殺さないでくれ』

そんな陳腐な言葉で、由香の気持ちは変わってくれるだろうか。

いや、違う。そんな弱気でどうする。

俺が由香を変えなくちゃいけな―――――




そこで、はっとして顔を上げた。


「なつき!?」


次の瞬間。パッと部屋の灯りがついて、俺は目を細めた。

白いドアの脇に、なつきが立っている。

うん?

いつもの調子の声。

ほっとして「いや、なんでもない」と答えると

はーい!

なつきは台所のほうへ消えていく。





……なにを考えてるんだ、俺。

思わず口に手を当てた。

唇の震えが指に伝わってくる。

一瞬、ひどくいやな予感がしたんだ。


なつきが由香を殺しに行くかもしれない――――なんて。


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