出会い系サイトの彼女。【完】

そろそろ連絡が来てもいい頃なのに。



暗闇の中で光る携帯電話を見つめて、あたしは白い息を吐いた。

着信―――なし。


……まだ、か。


携帯電話ごと手をポケットに入れて、冷たいアスファルトを踏みしめる。


午前四時。

灯りのついている家はない。

遠くにポツンと立っている街灯の明かりだけを頼りに、静まり返った住宅街を歩く。

ヒールの音だけがカツカツと尾を引いて、冬の夜空に溶けていった。


昨日の夜から裕さんの連絡を待っていた。

10時間くらい、何も食べていない。




お腹が空いてしょうがなくなって、コンビニに買いだしに行くことにしたのは、つい五分前のことだ。


食欲が普通にあるあたしは異常だろうか。

ううん。

そんなことない。生理現象だもの。


……ていうか。

裕さんってば、遅すぎる。


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